失敗した中国語学習の先

 

  新しく中国語教室を探す中、図らずも自分の中国語がレベルゼロ地点だと思い知らされた私。 2年半のレッスンを振り返り、何がいけなかった 

のかを突き止めようと必死になりました。 学習仲間もいない私は、解答をインターネットの中に探しました。

 

 しかし、さすがのインターネットも50代半ばの中国語初学者の挫折について詳しくはなかったのです。

 

 『最初はまず発音、四声が大事です』と書いている記事や動画がたくさんありました。 しかしながら、私の最初はとっくに過ぎてしまい、時を経て独自の四声とローマ字読みの音。

 

 「こんな人はどうすればいいのでしょう?」と尋ねる人もいません。 今ならチャットGPTに愚痴っていたでしょうか。

 

 失敗はよしとしましょう。けれども、この先は失敗したくないのです。また一から学校に通って、修正できるものなのか?どんな教室を選んでどんな風に学習すれば上達するのだろう?

 

 いや、そもそも自分に中国語を学ぶ能力がなかったのかもしれない。 どう続けていけば良いのか、もう完全に分からなくなりました。

 

 楽しい気分で始めた中国語を、こんな気持ちで辞めるのはとても残念な思いです。 デパートの案内表示、街角の注意書き、中華料理店のメニューの中。 何気ない場所で見かける中国語を、読めるかな?意味わかるかな?と、そっと眺めていた、あの習いたての頃のウキウキ感。 どこかへ行ってしまった、あの喜びをもう一度だけ取り戻したら、私は満足してキッパリ中国語とお別れできそうな気がしました。

 

 中国語を始めた頃、私の夢のひとつは、「いつか原書で中国の本を読んでみる」ことでした。 しかも、童話や詩ではなく、大人の人が普通に楽しむ、普通の書籍。 ベストセラーの『三体』、心を揺さぶられた『神なるオオカミ』、あんな本を原文で読めたら、なんと素晴らしいことでしょう!

 

 発音、ピン音が全然ダメなら、声を出して話さなければいいじゃない! 中国語で会話するチャンスはそうそうないわけだし。

 

 読もう! 漢字は何とかなる!辞書を引けば何とかなるはず。 中国語を完全に辞める前に、一冊くらい楽しんでみたい。

 

 

 中国語教室の「正しい導き」から落ちこぼれて、私はとうとう自己流の「怪しいけもの道」へと進み始めました。