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母音が命です?!

 ピンイン一覧表をご覧になったことはありますか?横軸が母音、縦軸が子音の大きな発音表です。日本語の50音表と比べると気が遠くなるような発音の種類の多さです。初心者の方のレッスンは、まず、このピンイン一覧表の左上、単母音の発音練習からスタートします。

 中国語を習われた方ならご存知の通り、6つの単母音のうち、「a」「o」「i」「u」はローマ字感覚で読もうと思えば読めてしまいますが、たいていの方は残りの2つ「e」と「ü」の発音に戸惑われます。50音表の中には、この2つの母音に似た発音は見当たりませんから当然ですね。

 ということで、皆さんは「e」と「ü」の発音練習は丹念にされますし、できるようになってからも、常にご自分の発音が標準的かどうかを気にしながら中国語をしゃべっていらっしゃいます。

 確かにこの「e」と「ü」の発音を定着させることは大事なのですが、ローマ字感覚で読めてしまっている方の「a」「o」「i」「u」の発音時にちょっとしたポイントを押さえるだけでネイティブっぽい発音が作れることについては、皆さんあまり気が付いていらっしゃいません。

 中国語の単母音はすべての発音の元になりますから、まず、この単母音を完全にマスターしましょう。うちの教室では、日本語と中国語の発音の作り方の違いを確認しながら母音の発音練習をしますが、最も重要なポイントは口の形です。中国語の単母音は、それぞれ口の形が決まっています。「今日は調子が悪いから、発音が安定しない」という問題ではなく、その発音特有の口の形を再現していれば、間違いなく標準的な発音が作れるのです。

 ローマ字感覚で読めてしまう「a」「o」「i」「u」の口の形をしっかり再現しながら中国語を話すと、びっくりするくらいネイティブ感のある、標準的な中国語になります。

 では、6つの単母音はそれぞれどんな口の形を作って発音すればよいかは、次回以降、順次解説しますので、お時間のある時にぜひ、このブログをのぞいていただけると嬉しいです。