中国人が日本語を、日本人が中国語を学ぶ時。

私は今、日本人に中国語を、中国人に日本語をお教えしています。そうすると、中国語と日本語の両側から、それぞれの言語を習得する難しさを見ることができます。

 

また逆に、日本人が中国語を、中国人が日本語を学ぶときの優位性も実感することができます。

 

文法面では大きな違いがありますが、お互いに漢字を使っていることは、文法理解の難しさや語彙を覚えることの大変さを補って余りあるほどのメリットがあると思います。

 

 以前、英語母語話者の人に日本語をお教えしたことがありますが、その時、漢字が使えず、ひらがなとローマ字だけで板書をした大変さが強く印象に残っています。

 

さて、私が今、日本語と中国語の両方のレッスンで重視しているのは発音です。

 

文法も語彙力も大事ではありますが、発音はやはり重要です。

 

ある仕事がきっかけで知り合った中国系アメリカ人の知り合いが「英語が下手な日本人とミーティングするとものすごく疲れる」と言っていました。

 

彼女曰く、特に「L」と「R」の区別がついていない発音で話されると「この人は何を言いたいのか?」と常に推測を働かせながら話を聞くことになるので疲れるそうです。

 

そんな彼女も日本語をしゃべる時は、小さい「つ」や長めに伸ばす音には苦心していました。


例えば、「切手(きって)」が「きて」、「冷蔵庫(れいぞうこ)」が「れぞこ」になると、理解に時間がかかるし、確かに違和感はぬぐえません。

 

この2種類の発音だけ気を付ければ、かなり聞き取りやすくなりますし、上手に聞こえます。

 

また、日本人が中国語を話すときに肝心なのは声調のコントロールです。日ごろ、非声調言語である日本語をしゃべっている私たちが、一文字一文字、トーンの指定を守りながら発音することは、訓練なくしてはできません。

 

それぞれ、課題を乗り越えようと一生懸命、勉強している日本語学習者と中国語学習者の両方を毎日、間近に見ています。

 

慌てず、コツをつかむまで練習すること。これで、確実に上達します。