私がHSK6級を取得したのは10年以上前ですが、その当時、私は中国の人と会話をすることができませんでした。
6級のレベル感は、必要語彙数は5000くらいですし、読解の問題では自然科学、歴史、故事、文化など多岐にわたるテーマが取り上げられますから、どんなトピックも中国語でしっかり理解できているということになります。
音読は昔から得意でした。私を仕込んでくれた中国東北部出身の先生たちがビシバシ発音を鍛えてくれたからです。
でも、実際は音読コンテストやスピーチ大会だけで中国語を話すわけではありませんよね。会話できてこその中国語力です。
当時、私はモヤモヤ感がマックス。誰からも褒められる発音なのに、いろんな言葉を知っているのに、けっこう難しい文法も理解しているのに、いざ会話となると発揮できない。
HSK6級をとればテキストは何でも読めて、ペラペラに話せるようになると思って受験対策をがんばってきたのですから、理想通りに話せない自分に絶望していました。
最高級をとっても話せない自分。「中国語できます!」と堂々と言うことができず自己嫌悪の日々です。
あの時の私は、話せるようになる仕組みが全然わかっていなかったのです。
「読める回路」と「話せる回路」を分断してたんですね。だから、「聴ける回路」もなかなか仕上がらなかった。
語彙数を増やすことと文法をがんばったことは大正解だったのです。でも、そこから先のトレーニングを理解しておらず、迷子状態でした。
中国語圏に住んでいれば話は別ですが、日本に住んでいる人が中国語を話せるようになるために最終的に必要なトレーニングは通訳練習だと私は思っています。
ただ、重要なのは、正しい発音が定着した上で通訳トレーニングをすること。
そして、基礎的な文法(言葉の並べ方)を理解すること。
ちなみに、正しい発音が定着しないうちに語彙数を増やすのは、ごめんなさい、ちょっときついことを言いますが、かなり効率が悪い作業とも言えます。これ、私自身の痛い経験からきている実感です。
単語の意味や使い方を暗記する時に同時に正しい発音で読めるようにしておくのが理想的、会話力に直結します。
当時の私もそうでしたが、テスト対策の中で重視されるのは語彙数を増やすことや文法理解、そしてリスニング。
「話せるようになる対策」は後回しにされがち。
私自身の失敗、遠回りから、皆さんにはぜひ、学習初期の段階から「話す、読む、聴くの三方良し」のバランスのとれた中国語力を養成していただければと思います。
HSK6級をとってもしゃべれなかった私が通訳訓練で「話す回路」をつくれた経験から、【HSK読解&通訳講座】をつくりました。
7月にプレ講座をやりますので、ご興味のある方はぜひ、遊びにきてください。


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