アジアのことば教室との出会い

 中国本の読解の日々に終わりを告げて、私は講座や教室を探す事もなく、教科書を開いて学習することもない時間の中にいました。

 

 それでも、ネット動画を見る時には、中華系チャンネルを検索して動画のお散歩を楽しんでいました。そして、その日、『中国語発音講座チャンネル』に偶然出会います。

 

 漢詩の朗読をしていました。笑わないで欲しいのですが、その動画を見て、私は「『漢詩』は中国語なんだ」と思ったのです。中学校の教科書でも中国語で書いてあったはずなのに、レ点や送り仮名や数々の付属品がピッタリと張り付いていた文章を、中国語だと思ったことがありませんでした。しかも、韻を踏んだ詩がなんと美しい!と初めて気がついたのです。

 

 朗読練習動画は、抑揚やリズムや発音が、まるで音楽のように聞こえ、すっかり魅了されてしまいました。中国語は音なんだ、やっぱり。

 

 学習につまずいて会話を諦め、読書に走って満足した私は休息中。ちょっとした区切りのような気分に何ヶ月も浸っていたのです。そして気がつけばいつの間にか、のれんを外して、看板をおろし、完全に閉店。中国語に触れる時間は以前とは比べ物にならないくらい激減していました。

 

 

 読書で区切りをつけたとは言え、やはり四声に自信がないのは払拭しなければなりません。正しい四声と発声ができれば、詩の朗読もこんな風ににできるんだわ、と夢中で動画の続きを見続けました。この動画との出会いが、まさに「アジアの言葉教室」との出会いでした。