先日、受講者の方からこんなお話を伺いました。
彼は大手メーカー勤務で、現在、上海近郊の街に駐在しています。
その彼が現地の日本人の同僚たちから「あなたの中国語は発音が無駄にうまい」と言われたとのこと。
「無駄にうまい」とはどういうことでしょうか?
彼は渡航の3か月前から中国語のレッスンを受け、渡航後の生活と仕事に早く慣れるよう、入念に言語面の準備をしていました。
1回1.5時間、週2回のレッスンを3か月間受講、トータル約50時間、中国語の発音をみっちり、そして基本文法を習得して現地に赴任されました。
彼のように中国に駐在される日本のビジネスマンが中国語研修を受けるときに目標にするのが、赴任後に社内や社外でする自己紹介を中国語でできるようになること。
発音の特訓の甲斐があり、彼の自己紹介は「つかみはOK」だったそうです。
社内の自己紹介では思いもよらず50名くらいの社員(ほとんどが現地社員、少し日本人社員)が集まり、かなり緊張されたそうですが、メモをチラ見しながら、無事に中国語で自己紹介ができ、大きな拍手をもらったそうです。
赴任後も継続してレッスンを受けてくださっている彼は、社内で「今年、東京から来た日本人は中国語を一生懸命勉強している」というイメージが広がっていて、好感度が高いとのこと(ご本人談)。
そんな彼に日本人の同僚が「あなたの中国語は無駄にうまい」と言ったそうです。
現地(上海近郊)で話されている言葉は、上海~蘇州周辺のアクセントがあり、どうも、「zhi chi shi」が「zi ci si」に聞こえるらしいのです。
普通話で特訓を受けてきた彼にとっては現地での聞き取りは至難の業。
想像がつきます。私も同様の経験があります。
日本人だって話す癖は人それぞれですし、方言もたくさんあります。
聴き取りの難しさはどの言語も同じでしょう。
聴き取りに苦心している彼ですが、身についた標準的な発音が大崩れすることなく中国語を話している彼のことを同僚の方たちが「無駄にうまい発音」と表現したのだそうです。
中国には七大方言があると言いますが、細かい発音の違いも含めると数えきれないほどの方言があります。
それほど多くの言葉が話されている中国ですから、やはり普通話を標準的な発音で話せることはとても重要です。
これから中国に赴任される初学者の方には「現地での聴き取りは難しいですが、自分が言いたいことを確実に相手に伝えることは、そんなに難しくありません」とお伝えしています。
発音の良さに「無駄」はありません。
きちんとした発音と文法(基礎文法)で話すと、一目置かれることは事実だと思います。
「この人はきちんと中国語を勉強している」
日本語をしっかり話そうとしてくれている外国の方を見ると、私は嬉しくなってしまいます。その感覚に似ていると思います。
きちんと中国語を話していると、思いもよらず色々な人から助けてもらえたりします。
きちんとした中国語とは、まず、標準的な発音で話せる中国語のことです。
通じやすい中国語を身に着けて、沢山の友達を作って、大いに活躍してください!
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