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「声調良ければ、すべて良し」という件について。

 中国語は声調言語、かたや日本語は非声調言語です。日本語を母語としている人は、ひとつひとつの音のトーン(声調)を気にしながらしゃべることに慣れていません。30歳の方なら30年、60歳の方なら60年、トーンを気にせずに言葉をしゃべってきたのですから、中国語を習い始めて10時間、20時間で声調のコントロールはうまくできません。

 

 この声調のコントロールは、中国語の学習をスタートさせて最初に出会う関門、そして最大の関門だと思います。

 

 娘がお稽古を始めてから3年目にピアノをやめたいといいました。その時、ピアノの先生がおっしゃいました。「今は音符を読めて音符通りに鍵盤をたたくことはできるけれど、曲を奏でることは、まだできていません。一人でピアノを楽しめるようになるまでには、まだ練習が必要です。」

 

 これまでのレッスンを振り返ると、30時間ほど訓練をすればピンインを見て標準的な発音をつくれるようになります。この段階では、ピンイン表記通りの発音は作れても、そこに声調を手堅くマッチングさせられるのは5割から6割くらいという印象です。100時間ほど読み込めば、ピンインの読み方も声調のマッチングもかなり正確になってきます。ここで30時間、100時間としているのはレッスンを受ける時間ではなくて、中国語を発音する、練習する時間のことです。

 

 「曲を奏でる」というのは、中国語習得になぞらえると、自然なリズム、スピード、抑揚が板について、そして、感情や表情とともに生き生きとした言葉を繰り出せる状態に似ていると思います。一旦、曲を奏でられるレベルに到達すると、どのような曲でも弾きこなせるのと同じように、中国語の発音が板についてしまえば、どんな話題の言葉でも自由自在にしゃべることができます。

 

 一度、標準的な発音を身に着けることができたら、一生使える武器になります。

 

 声調はしっかりトレーニングしましょう。声調が安定するまでは、毎日筋トレのように発声練習をしましょう。中国語習得の近道は、声調を安定させることです。