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あなたはどう呼ばれたいですか?

 私の家族親戚は皆、日本語を母語とする人たちで、今、私が暮らしているのも日本。ですので、意識的に中国語をしゃべる、聴く、見る環境をつくらなければ、あっという間に中国語の感覚が衰えます。

 

 私は出産前後に約半年、中国語から離れてしまったことがありますが、ゆるゆる再開した時の「口の回らなさ」は惨憺たるものでした。

 

 今は、音読とドラマの視聴は毎日、ニュースやスピーチなどの中国語の音源も日々流しっぱなしにしています。そして、アウトプットの仕上げとして、週に1~2回、中国語ネイティブの先生のレッスンを受けてブラッシュアップをしています。

 

 20代の林先生との初レッスンの時の事。お互いをどう呼び合いましょうか?という話になり、「私のことは稻叶(Dào yè)と呼んでください。」と言うと、林先生は「うーん、では、稻叶姐と呼びますね。私のことは小林(Xiǎo Lín)と呼んでください。」とおっしゃいました。「先生のことは老师と呼ばなければ、何だか落ち着かないです。」と私が言うと、「中国では知り合いになるとこういう風に呼び合うんです。こっちの方が親しみがこもっていて良いと思います。」と林先生。

 

 私のことを欧米の生徒さん同様に「Akiko」と呼ぶ先生、「Inaba-san」と日本式で呼ぶ先生など、色々な名称で呼んでもらっていますが、一番嬉しい呼び名は中国風の「稻叶姐」です。また、「小林」と呼びかけるときには、昔からの友達に話しかけるような気分になります。その人とお互いにどう呼び合うかということは、お互いの距離感を決めるようなところがありますね。